『ごめんね』
ごめんね。
ごめんね。
ごめんね……。
謝って、
謝って、
謝って……。
私はそれしか話す術を知らないから。
今日も、ずっと謝るの。
「んななんもねーんに謝んなって! 」
君はそう言ったね。
そうしてこうも言ったよね。
「ありがとうの方が嬉しいっつーの!」
んははっ、なんて笑う君は、とても綺麗で。
私には真似出来ないものだった。
「あー、ねっみ、俺と授業サボんねぇ?」
ダリー、なんて。
君ってホントマイペースだよね。
確かに、君みたいに図太ければ謝罪言うこと、少ないかもだけど。
「あ、それ取ってくんね?」
あ、ごめんね。これだよね、はい。
「あっまた謝った~」
あ、っごめんね。
「謝んなっつってんだろ~?」
……そう言われても、癖だし。
まぁでも、ごめんね。
ごめんね。
ごめん……ごめんね。
けど私は‘簡単に謝るな’と君が言った言葉の意味が、わかった。
君と離れてから、いじめを受けるようになって。
ああ、
ごめんね、
ごめんね、
ごめんね__
__私はずっと、謝ることでしか生きる術を知らないから。
「ごめんね」
__今日も、ずっと謝るの__
5/29/2023, 10:26:13 AM