未知亜

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初めて言葉を交わした夜。
星座の名前を教える声は、いつも途中から濁ってしまう。光年の過去から兆す光が、並んで見上げた月が、ただ神々しい。
朝日の下でも淡い日差しでも、並んで歩く横顔が綺麗で。
この世のなにもかも、君だけを照らす気がした。
あの笑顔にだけは、その瞬間にだけは、嘘はなかったと信じたいけど。
僕はあの日から動けない。

思い出したいことがある。
思い出せないことがある。

『空白』

9/13/2025, 11:54:27 AM