鶯になりたかった鳩

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アーケード商店街を少し抜けた先に

3軒の古本屋が 点在している

その一つが 終わりを迎えるという記事をみた


大学の頃は足繁く通い 

(今では月に数度訪れる程度だったけれど)

くたびれた本たちの背表紙と睨めっこをし

不思議なコレクションを増やしていった

本屋では見たこともない本が そこにはあった


その日 店の親父さんのもとに

馴染みの人らが 次々にやってきていた

聞こえてくる会話の中から 病が 理由と知った


三島由紀夫の選集や いつ読むかわからないエッセイ

官能的な文学に 多分知らない詩人の詩集を買う

閉店セールで 安かった

くたびれた紙袋に入れてもらった

哀愁漂う、くたびれた紙袋から出てきた本たちは

本棚に入らず 床の上に積み重なっている

11/4/2023, 3:36:18 PM