27(ツナ)

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君の目を見つめると

瞳の中にはその人の感情が宿っている。私は幼い頃からその感情に色がついて見えた。
だから昔から人の目をじっと見る癖があってよく叱られた。
「あの人、赤い!怒ってる!!…あの人は黄色!楽しいんだって!あの人は〜。」
そんなふうに人を観察しながら街を歩くからよく母に「やめなさい!…気味悪い。」と言われた。
母の目は赤と紫が混じったようなドロドロした色をしていた。

それ以来、私はずっとこの能力を隠しながら生きて、いつの間にか大人になった。
恋人もできたが言えずにいた。でも、彼に隠し事がある後ろめたさに耐えられなくなっていた。

そんなある日、彼とデートで喫茶店でお茶をしてると「なにか僕に言えないこと、ある?」その言葉にドキッとした。なんで、わかるんだろう。
「な、なんで?」おそるおそる尋ねる。
「…灰色だから。君の瞳。灰色に曇ってるから。」
下を向いていた私は思わずパッと顔をあげると彼と目が合った。
彼の目は曇りのないまっさらな透明の色が見えた。
「実は、僕、変な能力?みたいなのがあって目を見るとその人の感情の色がついて見えるんだ。……なんとなく、君も同じなんじゃないかなって思ってたけど、そうだったんだね?」
私は口を開かないかわりに彼の目を見つめた。

4/6/2026, 10:51:03 AM