記憶の地図
あの頃、確かに聞こえていたーー水の音。
静かに、でも力強く流れる感情の川は
私の中の記憶という地図を、今日もひそやかに描き続けている。
天を見上げた日
祈りのように願った夢たちは
まだ終わってなんかいなかった。
むしろ今、ようやく翼が風を覚えている。
そして、胸の奥に眠っていた言葉たちが
ひとつ、またひとつと剣のように目を覚ます。
それは痛みではなく、意思。
迷いを切り拓く、確かな決断の光。
私の地図には、もう戻れない道もある。
けれど、進める道はいつだって自分の足で決められる。
水の流れも、空の鼓動も、鋭い意志もーー
すべては私の中に、今も息ずいている。
だから私は歩く。
忘れたくなかった風景を、もう一度迎えに行くように。
6/17/2025, 5:32:54 AM