あのお方がぎゅうとおれの右手を両手で包み込み「きみの手はあたたかいね」とたおやかに微笑むのを思い出す……
氷のようなあのお方の手 同じ人の子であるはずなのに、全く血の通っているとは思えない冷たい手……
冬になるとあのお方の手はよりいっそうに冷たく、真冬の冷気で冷やされた鉛のようになる……
灰のように降り積る雪の日に、あのお方が動かなくなった肉をつつきながら「わたしの手、死んだ人よりも冷たいかも」と笑うのが、とっても愛らしいと、なあお前もそう思うだろう?
お題「冬になったら」 おまねむ
11/17/2024, 11:07:05 PM