百加

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過ぎた日を想う


 世界はきらきらと眩しくて、何にでもなれると思ってた。
 空だっていつかは飛べるかも。空想でいっぱいだった小さな私。
 それから少女になって、大人になって、ままならない世界の色の深さと複雑さを思い知る。
 私は他の誰にもなれなくて、持っているのはこれしかない。私は私と手を繋ぎ、その手の力を強めていこう。
 今はまだそんな余裕はないけれど、いつかは辿った道を振り返り、過ぎた日を眩しく想う時が来るかもしれないね。 
 ほんのひととき想いを巡らしてみた、ある秋の日の午後のこと。



#49

10/7/2023, 8:09:22 AM