あるまじろまんじろう

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 右側の腕を食べる。
 中華包丁を選んだ。袖を肩まで捲れば露見する、肘の少し上。そこ目掛けて妹が包丁を振り下ろしたが、四半分食い込んだところで刃はとまってしまった。非力な妹ではどうも骨が砕けない。
 しょうがないので、家に斧やらはなかったかと海馬の中を泳いでみる。深呼吸の間包丁をぎこぎこしてみていた妹が、思い付いたように退室したと思えば、やがて戻ってくるとその右手に鋼のスコップを握っていた。
 無理繰り切断するのか、脳ミソが筋肉なのか。
 笑うと、つられて破顔した妹は、四半分食い込んだままの包丁目掛けて今度はスコップを振り下ろす。
 包丁はさらに深く腕を進んだ。



幸せに

3/31/2024, 10:30:31 AM