のーねーむ。

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まるで鷹のような彼は
今も獲物を狩る前みたいに鋭い視線を送っている
何もない、空中に


目つきの悪い俺は
いつも誰かに怖がられながら過ごしていた
それでも、今日はそれを無くさなければいけない
彼女に怖がられないように

けれどそう思えば思うほどに
緊張で目はつり上がっていく

顔が、燃えるように熱い
握っていた指先が、力の込めすぎで白くなる
体中から汗が噴き出す

「ー好きです。」

小さく声が聴こえる
その言葉の意味を、私は数秒経って理解出来た

あぁ、なるほど
だからそんなに視線が鋭かったのね
何もないところへ送っていたのね
気恥ずかしかったのね

鷹のような彼が、凄く、可愛く見えた

10/15/2024, 11:01:28 AM