あんず

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たとえ間違いだったもしても



迷い癖のある私。


アイスクリームのフレーバーを選ぶような
小さなことですらパッと決められない。


「杏さん迷ってる?もしや。」

「うう、お察しの通り…」

「いいよいいよ、ゆっくり悩みなー」


なかなか決められない私を
なんにも気にしない様子のシロくん。


「ごめんねいつも優柔不断で…」

「ぜーんぜんっ」


そう言ってニカッと笑顔をくれる。


苦悩の末やっと注文を決めて
近くのフードコートで食べることに


「んまぁ!」

「杏さんほんといい顔で食べるよね笑」

「久しぶりに食べたけど最高や…!」

「その味で正解?」

「間違いなし!大満足!」

「そゆとこほんといいよねぇ、杏さん。」

「??」


「杏さんは決めたことには絶対に後悔したり、
やっぱりあっちのがよかったなーとかクヨクヨしたりはしないなって。
今日みたいにアイスのフレーバーでも、人生を左右するような大きな決断でもさ。
たくさん時間かけて迷うし悩むけど、出した答えには迷いがないというか。」


「あー、それはそうかも。」

「その時の自分の最上の答えだから
間違ってたとしてもそれはそれで受け入れるって
前に言われたのすごいかっけえなって覚えてるんだよね。」

「そ、そう?」

照れくさくて、へへへと笑う私。

「そゆとこも好きよ?」

彼にそう言われて
また自分のことを少し好きになれた…気がする。

4/22/2024, 10:51:30 AM