「あなたのことが好きです!!」
真っ赤な顔で、君は叫んだ。
その瞬間、無慈悲にも列車のドアは閉められて、
ガラス越しにしか、君の姿を捉えることができなくなってしまった。
僕はここで叫びたくなった。
どうして!
どうしてこのタイミングなんだ!!
僕が隣の隣町へ引っ越す当日、君には大切な予定が入っていた。一生懸命に君が練習していた、ピアノのコンテスト。
「見送りに行きたかった」と泣く君の頭をそっと撫で、それでお別れだと思っていた。
…なのに!
電車の発車合図が響く中、君はホームへ飛び込んで、冒頭の台詞を叫んだのだ。
あまりの事で何もできなかったが、僕だって…僕だって…
列車の中、ひとり取り残された僕のスマホが鳴る。君からのLINEだ。
『ごめん。どうしても言いたくて…』
すぐ下にウサギが頭を下げているスタンプ。
僕はクスリと笑ってこう送信してやった。
『いいよ。
実は僕も、そう言いたかった』
5/19/2025, 10:29:43 AM