君の背中は、よく叩かれたり、押されたり、蹴られたり、ホクロを星座に見立ててなぞられたりと人の欲望を背負わされているね。
夢の中で出会った君は、どこかの公園のベンチに座っていた。こちらに背を向けて座る君を見て、私は安心して隣に腰掛けた。
すっかりと落ち着いたものだから、私は肉を挟んだコッペパンを頬張った。いつのまにか持っていたが、これはずっと私が欲しかったものだ。
アニムスと共に生きる為の父性を、神の肉から授かりたかった。自分が求めていたものを自分の身体の中に取り込むこの感覚は、正に夢心地だ。さすがに香ばしい肉の味まで感じられなかったが、このパンを食べて、たましいにも溶け込む気持ちの良い食事をした時と同じ満足感を得られた。
私のアニムス、君の背中に寄り添って食事をしたから、おかげでもっと美味しく味わえたよ。
(250209 君の背中)
2/9/2025, 12:44:51 PM