しゅわしゅわしゅわしゅわと、緑色の炭酸が音を立ててぱちぱちと水が跳ねる。
恋人と私が大好きな飲み物をこれから作ります。
我が家には好きだからこそ、専用グラスに専用の細長いスプーンも用意してある。準備万端なのだ。
バニラアイスを乗せると出来上がる宝石のような飲みものが出来上がる。
アイスを乗せるのに少しだけ待たせただけなのに、グラスからは水滴が落ちていた。それがよりキラキラした宝石を思わせてくれた。
「おいしそうだねぇ!!」
「今日のはちょっとお高いバニラアイスを使いますよー!」
メロンソーダに浮かんだいくつかの氷の上にポンとバニラアイスを乗せてから、サクランボを添える。
「完成です、めしあがれー!」
「やったー!」
彼は両手を上げてはしゃぐ彼を見ていると、胸があったくなる。
彼はストローをさして、ひと口含む。
ストローの下から色が変わり、彼の唇に流れ喉が動いてそれがとてもセクシーだなと思ってしまう。
私の視線に気がついたのか、私を見つめて首を傾げた。
「どうしたの?」
「おいしかったかなって……」
「おいしいよ。あ、でもアイスを堪能するのはこれからだけどね」
話しながらスプーンでアイスをひとすくいしてパクリと味わう。パッと目が輝いているのがわかる。
そう。
今回のアイスは奮発したのです。
とは言え、先日会社で話題になってみんなで食べたアイス。それがとても美味しくて、彼に食べて欲しかったんだ。
「なにこれ、おいしいっ!」
「ですよね!」
アイスを少しだけ寄せてメロンソーダに軽く溶かしてから食べると身体を悶絶させていた。
「おいし……あ、もしかして、少しメロンシロップを濃くした?」
「あ、気が付きました? でも、少しだけですよ」
それを伝えると彼が太陽のような笑みを浮かべる。私の大好きな笑顔だからドキドキして自分のクリームソーダを勢いよくかき混ぜてしまった。
「あっ!」
「え?」
勢いがよ過ぎて、溶けたアイスがグラスからこぼれ落ちた。
まるで私のドキドキが溢れてしまったようだった。
おわり
四五二、こぼれたアイスクリーム
8/11/2025, 1:21:21 PM