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子供の頃の話です
彼女は可愛くないと言われました
大人の思い通りにならないことを
可愛くないと言われました
彼女は随分幼くて
そして素直でしたから
己は可愛くないのだと
愚直に信じ込みました
暫く彼女が大きくなり
可愛いさに言及されなくなった頃
彼女はふと思いました
己が可愛くないというのは
つまり己は美しく
綺麗な格好いい系なのではと
彼女は随分素直が過ぎて
そして酷く愚直でしたから
言葉の裏の意味なんて
知っていたって認識しません
物語でも授業でもないのだから
言葉通りにしか汲みません

‹美しい›

6/11/2025, 8:56:41 AM