茹だるような暑さの中で
やんわり効かせた冷房を無視して
炭酸を注いだコップまでもが汗をかく。
まだ夏と呼ぶには早いような
梅雨との境目の頃に似つかわしくない熱気が満ちる部屋。
四肢を投げ出して、無意味と知りながら目を閉じる。
静かに思い出す。
いつか君と過ごした季節が
また巡り来るんだ。
愛という言葉で片付けてしまうには
上手く説明のつかない僕らの関係。
過去にしてしまうには大切すぎて
まだしまい込めずにいる。
消したようで消せていなかった
はがきの片隅。
あの言葉は本当に僕を向いていたのかな。
答えのない問答。
帰ってこない夏。
それでも季節が巡る度
何度だって思い返す。
〉夏
6/28/2022, 10:46:37 PM