未知亜

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 生まれた日が隣同士だと知ったのは出会った年の秋だった。運命だとか神さまだとかすぐ持ちだしちゃうあたしに、君はただ苦笑を返した。だけどやっぱりこれは、運命だと思うんだ。

 五度目の゙今日を跨いで、あたしは隣のぬくもりを握る。あんなに恨んだ神さまに、節操もなく感謝する。
「誕生日おめでとう」
 戻ってきた昨日と同じ言葉に、あたしは笑顔で頷く。
 君と紡ぐ物語が、また始まる。

『君と紡ぐ物語』

12/1/2025, 8:40:51 AM