「素敵な女性になりたい」
彼女はそう言って何処かを見詰めていた.
「私ね,18になった瞬間から始めたの」
「お金無くてさ。
親公認なんだよ(笑)やばいっしょ?」
声を笑わせるので背いっぱいな詰まった声に
僕は思わず抱きしめた.
なめらかにグラデーションのかかった瞼
僕を吸い込むような真っ黒な瞳
それなのにどこか鮮明さを感じさせる睫毛
アゲハ蝶の様に素敵な貴女は風俗嬢だ.
僕には貴女を捕まえれなくて,
でも,貴女に触れたくて触れられたくて.
春の貴女に逢えないのだろうか.
モンシロチョウの様な優しい貴女に.
-「モンシロチョウ」
5/10/2024, 4:40:58 PM