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一、同情
身の丈に合わない恋であることをもう長いこと自覚している。断捨離するにはまたとない機会であったことは間違いなかったはずだ。彼女にとっての最善を選んだ。そこに自分の存在は不必要だったというだけの話。だから手放した。想いは棄てた。巣立つ雛鳥の門出を祝わずして何になる?後悔先に立たずということわざが世に存在するくらいだ。死してなお僕は僕自身を赦しはしないだろう。明白だった。飛び立つ彼女の後を決して追うことのないように背中に生えた透明な翼を自ら手折る。血は流れなかった。

愛に鳴くはずの籠の中の鳥は、その時たしかに哀に泣いていた。貴方の傍にいたかったとしゃくり上げる彼女の頬を伝う滴を拭ってやることなど出来るはずもなく。彼女のことをまるで分かっていなかった。分かったような気がしていただけだった。己の愚かさと不甲斐なさを心底呪った。僕は彼女を、どう愛せばよかったのだろう。

--手記 xxxx.xx.xx




2/20/2024, 3:36:55 PM