「静かな終わり」
人の命は、儚く淡い。簡単に壊れてしまう。だからきっと、美しく尊いものだと言われるのだろう。そしてその終わりを迎えると、静かな微睡みに沈むのだろう。
そんなことを、歪む天井を眺めながら考える。周りに散らばる小さな粒は、私の吐き出したもので、酷く臭う。独特の香りは私に終わりを連想させる。
吐いては新しいものを飲んで、時間が経ってまた吐き気に襲われてまた戻す。そしてまた飲む。その繰り返しを何度もやって、遂に粒が尽きた。
目の前がぐるぐると歪み、焦点が合わなくなる。目が有り得ない方向を向いていることだけはわかる。
耳鳴りも落ち着いてきて、環境音が聞こえなくなってきた。
静かだ。とても静か。目の前はぐるぐると周りながら段々と暗くなっていく。たまに白い光が目の前にチラつくのは瞳孔が開いているせいだろう。
意識が遠のいて、眠りにつくように私は終わりを迎えた。
想像していた通り、命の終わりは、とても静かだった。
12/29/2025, 2:29:11 PM