「『君と紡ぐ物語』なんてロマンチックな言葉なんだろうか。なぁ、あんたもそう思うだろ?」
にっこりと笑顔で喋る少年は、死体という名の肉塊に座りながら、独り言を呟いた。
豪勢な飾りやシャンデリアが飾られた大広間は、炎と血の匂いによってデコレーションされている。
辺りにはメイド服を着た女性や、身なりが整った少年少女が虚空を見つめ、炎に焼かれている。
「『君と』だから、特定の誰かが居なくちゃいけないってことだよな。そうだな…」
熱に体が焼かれるのを気にせず、ハンドガンをくるくると片手で回しながら、歩き出す。
少年は、今にも焼けて消滅しそうな大きな肖像画の前で止まり、その顔をじっと見つめる。
大きくて、立派なティアラを小さな頭に被り、キラキラとした輝きを放つドレスを見に纏った、お姫様。
「ならばこれは、"君"との物語だ!
君の物語を僕が焼き尽くし、そして君が紡ぎ直す。
それを永遠と繰り返そうじゃないか!」
瓦礫が落ち、肉が燃え尽きるこの屋敷に、声変わりを迎えていない、狂気の笑い声が響き渡った。
お題『君と紡ぐ物語』×『復讐』
12/1/2025, 3:25:54 AM