詩歌 凪

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 今日の心模様

 忘れられない過去がある。
 意味がないと言われ、傷だらけになっても抱えてきた記憶がある。
 わたしの心は今日も、誰もに忘れ去られた場所を行くあてもなく彷徨っている。
 忘れられない地獄がある。
 目を開けることも、瞑ることもできなかった夜があった。
 狂ってしまったらと願うような地獄があった。
 地獄でしか生きていけない自分がいることも、喪った後で気がついた。
 忘れられない切なさがある。
 改装工事がされた古い校舎の前を通ることはできなかった。
 気がつけば畦道と夕日は消えていた。
 大事なものと、好きなものは違うと知った。
 けれど、手放せば楽になれて歩き出せるのに捨てられないものは、大事なものだから置いていけないだけだと知った。
 だから、引きずっているものは抱えてしまえばいいと思った。
 痛みは抱きしめたまま、笑って、それでいい。
 思い出に焚べた火が燃え尽きる前に。

4/23/2024, 3:18:56 PM