人類の歴史は争いの歴史だ。グループを作り争うことは本能によるものなので無くなることは無い。争いが全く無かったらどうなっていただろうか。科学技術の発展が遅れたことは間違い無いだろうがそれ以外には特に問題は思いつかない。人口爆発の大幅な加速による食糧危機や環境破壊も考えられるが、平和で豊かな環境では人口が増えない事は先進国における少子化問題が証明している。従ってやはり人類は争いを少しでも減らすべきである。ではどうやって減らすかだが、争いの多くは宗教対立である事から、先ずは宗教の根絶が考えられる。しかしこれを為したとしても、宗教以外でのグループ対立が新たに起こるので意味がないだろう。いや、本当にそうだろうか。日本や中国などでは争いが少ない。これは宗教対立が少ないことが主因ではないだろうか。また宗教があったとしても昔の中東ではユダヤ教徒とイスラム教徒が平和な共存社会を作っていたし、それ以外でも異なる宗教、異なる民族が平和な社会を作っていた例は少なくないだろう。では、グループ間の対立が起こる原因は何かを考えると競争に勝つため、個人の金銭欲、名誉欲、征服欲を満たすためであろう。これらの欲も人間の本質的な欲のため無くすことはできない。従って、やはり争いとそれによる犠牲を無くすことはおろか減らすこともできないだろう。つくずく人間とは愚かな生き物だと感じさせられるが、これもまた自然が作り出した仕組みなので甘んじて受容れるしかない。
11/5/2023, 4:09:05 AM