はと

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子供のように穢れを知らない澄んだ瞳が、同じように澄んだ空を見つめる。
それを見た瞬間に「ああ、遠いな」と思った。
どこまでも純粋で、真っ直ぐで、澄んでいて。
自分とは、真反対の人。

「甲子園!行こうな!一緒に!」
「……うん、行こうね、一緒に」

行きたい、行けない、行きたくない。
彼はマウントに立つ英雄で。
自分はスタンドで応援するただの外野で。
ああ、あほらしい。バカになりそうだ。

「怪我、早く治せよ」
「……治んないよ」
「治る!大丈夫!」

澄んだ瞳が自分を見て、にこりと笑う。
澄んだ空を背に笑う彼は、とても眩しくて自分は目を細めて「そっか」としか言えなかった。

「澄んだ瞳/20240730」

7/30/2024, 12:29:43 PM