もんぷ

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!マークじゃ足りない感情

 冗談でもなんでもなく、もう一生会えないと思っていた。あれは何年前だろうか、なんて余裕ぶっても忘れられないから覚えているけど。一生見たくなかった大切なお知らせを見て、世界から光が無くなった日。キラキラした世界を後にしてこちら側に戻ると大好きな人が宣言した。もちろんあの人は職業が変わっても生きている。どこかでごはんを食べて、笑って、眠る。スポットライトの当たる場所から移動しただけでどこかで息はしている。なんなら、人前に出るからと意識していた前よりもナチュラルに街を歩いているかもしれない。そんなことされたら見つける自信しか無いのだけれど。しかし、こちらからしたらお金も時間も労力も全て注いできた最愛の人だけど、あちらからしたら自分の色のペンライトを振る有象無象の一人。二人で話す数秒の時間も、繋いだ手の感触も、本当に一瞬のことを何度も夢に見て、忘れたくなくて何度も反芻する。画面上じゃなくて実在する、目があって、言葉を交わして、まるで友達みたいに仲良く話すなんていう素敵な夢をくれていた君。君に関するイベントに最後という文字が増えてきて、まだ現実を見たくなくて目を逸らしていたのに、また、どこかで会えたらいいね。なんて綺麗に笑う君の姿は、何をしていても亡霊のようにまとわりつく。過去を懐古して、思い出に浸って、どれだけ今を忘れようともいないという現実だけがそこに残る。本気で好きだった。いくら受け入れようとしても、受け入れざるを得ないような状況に置かれても、感情は素直だから涙はいくらでも出る。もう自分から悲しみにいっているのではないかと笑いたくなってしまうほど、些細なことに君を探して傷ついて。それでも時間は止まってくれない。君が"普通の人"に戻ってからこっちの時間は止まっているというのに、君は違うところで働いて、良いなと思う人と楽しく暮らしているかもしれない。結婚、家庭を持つとか、そういう前の場所では叶わなかったライフイベントを着実と達成しているのかもしれない。自分がその相手になれるなんていう都合の良い妄想を描くような時期はとうに過ぎたけど、それでもその相手として選ばれる人は素直に羨ましいし、ただ一言おめでとうとだけ言わせてくれるような機会が欲しい…なんてことを堂々めぐりで考えているうちに今日を迎えた。久々の通知に、言葉を失うとはあのことだった。スペシャルゲスト、一夜限りの復活、久々に見た君の最後の宣材写真。あぁ…嬉しい!!!!!!!!!

8/16/2025, 2:31:02 AM