品の良い、しかし、何か蠢くものを感じる微笑みを貴女は浮かべる。
美しく、儚げで、聡く、穏やかな貴女。
貴女のような人を、きっと妖艶というのだろう。
貴女が私のもとを去ってからは、すべてが灰色だ。
貴女さえ居れば、もう他には何もいらない。
貴女が望むものなら、何だって叶えよう。
私のすべてを貴女にだったら、捧げていい。
だから、どうか、戻ってきて欲しい、私のもとに。
純白の肌、月白の髪、紫翠の眼を持つ、そよ風みたいな貴女。
キャペリンとワンピースを好み、とても似合っていた貴女。
生涯で貴女ほど、愛した人は他に居ない。
今でも忘れられない、否、決して忘れたくない。
私の初恋の人。
「さようなら、わたしが最も愛した人よ。」
貴女はそう言って、私のもとを去っていった。
6/26/2024, 11:54:48 PM