『君の名前を呼んだ日』
最後に君の名前を呼んだのはいつだろう?
幼い頃は名前を呼ぶと嬉しそうに笑顔になる君が可愛くてつい何度も名前を呼んでいた。
そんな君に毎回と言っていいほど怒られていたっけ。
だけど、次第に大きくなるにつれて名前を呼ぶのが恥ずかしくなって名前を呼ばなくなった。いや、呼べなくなったの方が正しいのかもしれない。
周りの目も気になったし、思春期の俺が異性を名前で呼ぶことに抵抗があった。
その頃からだろうか?君の笑顔を見なくなったのは。
たまに笑いはするけれど、その笑いは本心から笑っている笑いでは無い気がする。
もう一度──────。
もう一度だけでいいから君の笑顔が見たい。
あれからまだ俺よりは小さいけれど背も伸びてあの頃よりも大人びた君の笑顔を僕は知らない。
だから、いつかまた俺が君の名前を呼べる時が来たらその時は笑ってくれるだろうか?
俺の心が大人になるその日まで。
君の本当の笑顔を見れる時まで。
君は本当の笑顔を僕のためにとっておいてくれるだろうか。
5/26/2025, 10:49:48 AM