「またいつか、一緒に月を見よう」
葉桜が揺れる四月の午後11時頃
ストロベリームーンって名前の満月を
隣で君が楽しそうに話すのを聞きながら
へー、赤色って訳じゃないんだなんて思っていた
女に花の名前を教えられると
男はその花を見る度に女を思いだすなんて言うけど
私にそんな洒落たことはできなかったから
ただ、満月が来る度に
君と夜の街を歩くだけで十分だった
そうやって中途半端にしてたからかな
月を見る度に思い出してしまうようになったのは
君じゃなくて私だったみたい。
別れ際に言ったあの言葉じゃきっと
君の心には響かなかったろうなぁ、なんて。
「別れ際に」
9/28/2022, 10:29:23 AM