※物語です。グロ(?)注意
「ねえ見て、あの子の足」
「うわっ傷だらけじゃん、可哀想…」
廊下ですれ違う他クラスの子たちがコソコソと呟く。もう慣れたものだ。あたしを同情する話し声。
傷だらけの足に袖から覗く血の滲んだ包帯。
_あたしのことなんて何もわからないんだろうなぁ
同情するからあたしは可哀想になるの。
家庭環境もあたしの気持ちも何も分からないのに、どんな気持ちで発言しているんだろう。
_無知って幸せだなぁ
そんなことを考えて何も聞こえなかったのかのように立ち去る。
誰もいない空き教室。あたしのお気に入りの場所。
あたしはいつものように錆びたカッターナイフを取り出す。
自分のことながらおかしなくらい痩せた足に傷をたしていく。痛みは感じない。流れる鮮やかな血液に興奮を感じる。
「ぜーんぶあたしがやったのに気づけないなんて可哀想」
自分でつけた傷を見て勘違いしたあの子達を憐れむ。
そして自分以外につけられた痣を覗き込む。
「見えないとこばっか殴るからなぁ」
内出血を起こした骨の浮き出たお腹を見てため息をつく。
視線を足へと戻しさっきのあの子達の表情を思い出す。
途端に頬が緩み出す。
_あーあ!
同情されるあたしだーいすき♡
2/20/2024, 1:34:29 PM