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 優しさなんだ、と思っていたけれど、それは違うと見せつけられて、あっさりと形を変えてしまった。
 彼自身からすれば、間違いなく優しさだったのだろう。それに甘んじたのは自分だ。泥濘の安寧ばかりを求めて、気づけなかったのは自分だ。
 何もかもがもう遅い。あの優しさが変わっていなくても、受け手の感情が変わってしまったのだから、同じように享受出来るわけがなかった。

 優しさと呼ばれる真綿で感情を締めつけるくらいなら、いっそ一思いに壊してくれれば良かったのに。

1/27/2023, 12:21:49 PM