天から“負”が降ってくる。
地面を叩く無数の音が鳴り続く。
人の造った物が揺られ、それに耐えようと歯ぎしりの音も聞こえる。
大きな天に抗うべく私はカサを差す。
しかし、横に流された“負”は無情に背中を刺し続ける。
逃げるように前に走れば今度は正面からぶつかってきた。
カサは“負”を防ぎきるにはあまりにも小さくもろかった。
すぐにカサは役立たずになった。
私が少しずつ削られ、えぐられ、溶けてゆく。
私はそれでも“負”に耐え天の下、強い光を待っている。
8/16/2024, 10:41:43 AM