お題『イブの夜』
雪が降り始めた寒い日の夜。街の中はクリスマス雰囲気でいっぱいだ。近隣の家々の外壁にはイルミネーションが飾られ、星や動物の形をしたモノから多種多様で赤や緑、白色に光る小さな電球が点灯している。
綺麗な外を眺めながら、祖母から頼まれたお遣いの帰り道【みゃぁ、みゃぁ】と必死に鳴く猫の声がした。
私(わたくし)は鳴き声のする方へ歩いて行くと、近所の公園に辿り着いた。ベンチの下でぶるぶると震える茶トラの子猫を見つけて、しゃがみ込んで覗いてみるとその子猫は私に向かって【みゃぁ】と鳴いた。
委員長「寒いよね。こっちにおいで」
と猫に話しかけるとよちよちとベンチの下からこちらに向かって歩いて来た。そっと抱きあげると暴れたりすることもなく私の腕にもたれた。私は首に巻いていた毛糸のマフラーを子猫の体を包むように巻き家まで持ち帰った。
そして子猫は家で飼うことになり、早速名前を付けてあげた。
委員長「クリスマスの夜に拾ったから、あなたの名前は今日から『イブ』よ。よろしくね」
イブと名付けられた子猫はまた【みゃぁ】と鳴く。
イブを飼い始めて5年経った今、暑さ対策で買った猫用う冷感マットに興味を示さないが、何故か人間用の冷感マットは気に入ってるらしく体を丸めて気持ち良さそうに眠っているのだった。
End
12/25/2024, 7:52:53 AM