『凍える朝』には布団の中で、ここにはない、自分以外の体温を恋しく思う。もしウチに猫チャンがいたらきっと、すっごくあったかいんだろうなぁ、ってね。
SNSなんかで見る猫チャンたちは飼い主に寄り添って丸まって、それが羨ましくって。でも無理、生き物の命を預かれるだけの金銭的余裕も度胸も私にはないんだよねぇ……ハァ。
その代わりに、というわけでもないんだけど、掛け布団はそこそこのお値段の羽毛布団を買ったし、それでも独り身女子の独り寝の体ってどうしてこんなにあったまんないのよ〜って日のほうが多いから靴下と腹巻き必須で……ん、でも今朝はなんだか、とってもあったかい……。
寝ぼけまなこで布団の中の、適度に硬くて熱を持った物体を撫でる。これってもちろん、猫チャンじゃなくって……あれ?
「にゃー。くすぐったいです」
その物体から低く、くぐもった声がした。
「先輩、おはようございますにゃー」
その声は明らかに、成人男子のそれで。その耳覚えのある声のおかげで、昨晩の記憶が秒でよみがえって私の脳裏を駆け巡り……あああ! 酔っ払った勢いで後輩年下男子を部屋に連れ込んで、猫扱いして布団にも引っ張り込んで? でもお互い服もちゃんと着たまんまだし、でもでも添い寝って……マジかー。
……にしても。
ああん、もう……すっごく、あったかいぃー!
さっすが、人肌!
羽毛布団の下で。猫って言うより、なんでも言う事聞いてくれるワンコな後輩の体が、私の体にピタリと寄り添っている。その熱の気持ちよさに、私はそっと目を閉じ、そしてそのまま、現実逃避も兼ねての二度寝を試みるとこにしたのだった。
11/1/2025, 1:16:22 PM