「綺麗だね」
「そうか? 眩しいだけだ」
「あなたは星が好きだからね」
「そもそも人間が星の輝きを真似ようなんて、傲慢にも程があるだろう」
「厳しいなぁ」
「事実を言っただけだ。それに普段は地球環境を守ろうなどと綺麗事を言う癖に、こういうモノの無駄やエネルギー消費量の話をすると屁理屈を捏ねて自分達を正当化しようとする。度し難い愚かさだ」
「うーん。でも、さ·····」
「なんだ。歯切れが悪いな」
「神様はその愚かさを愛したんじゃないかな?」
「·····それはお前個人の考えだろう」
「それはそうだけど」
「それに私達はその神の意思でここにいるんだぞ。奴等は神が許せるレベルをとっくに超えている」
「·····分かってるよ」
「あぁ、お前には前科があるからな」
「意地悪な事を言うね。·····今度は間違えないよ」
「そう願いたいな。お前の監視なんてつまらない仕事を押し付けられて、はなはだ迷惑してるんだ」
「もう、分かってるよ。だったらさっさと仕事を済ませて帰ろう」
「帰れるのは当分先だと思うがな。私達の担当地域だけで対象がどれだけあるか知ってるか?」
「もう、うるさいよ」
◆◆◆
ブツン。
その夜、眠らない街の明かりが一斉に消えた。
今にして思えばそれが、終末の始まりだった。
END
「イルミネーション」
12/14/2024, 3:23:30 PM