優しい陽の明かりと頬杖

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胸が高鳴る

春風は 吸い込まれた 空気の 中で
弾けた サイダー みたいに
心に トルマリンの ように 染み込んで
心の 中を 純粋に 変えていく

君が 新学期に 買った
香水の 匂いに 僕は まだ なれなくて
もう少し 君の センスが わかるまで
時間が かかりそう

踏切の 遮断器が 音もなく 聞こえるのは
どことなく 胸が高鳴る 心臓の 音に
かき消されて いるようだ
サイレンスの中で 静かに 桜の 花が
僕たちの 見えないところで 咲いている
雨が 降るまで 
その 新しい 命を 輝かせてる みたいに

純情は 春の 季節が 過ぎる頃には
着慣れた シャツみたいになって
慣れてくれば 少しだけ 形が 崩れて しまうけど
それでも きっと 君の 丁寧に 結った 
長い フィッシュボーンの リボンと
胸元に キュッと しばられた ネクタイが
まだ 綺麗な 形を している

このまま 夏が くる前に
トルマリンの ような 柔らかな 
呼吸に 透過しやすい 季節を 迎える 前に
君と 二人で 坂道を 走り出しては
自転車道を 朝方の 太陽を 追い越して
見えない 未来に キスを そっと しよう

3/19/2024, 7:21:14 PM