柔らかい雨君が傘をさして私の方へ振り向いた。ほら入って一緒の傘に入って歩くなど、いいのだろうか。そう言う関係に見えるじゃないか。いや、私はいいけれども。私は。君も何を思ってそうしているのか。私は一瞬の躊躇いの後、君の近くにいられるという欲に負けて、その傘の元へと急いだ。歩く。言葉はない。雨の音が強い。けれど、君がいると言うだけで。私はそれだけで。
11/7/2024, 9:50:43 AM