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私には、生きる意味が無いと思ってた。
私が館に来たばかりの頃は
よくベリアンに言ってた。
「私って生きる意味ないよね。」
そう言うと彼は困ったように笑って言った。
「そんなことはありません。私たち執事は、主様が生き甲斐なのですから。」
「でもそんなの、私以外でも大丈夫なんでしょ?」
「…主様は…そう、思うのですか。
……こんなこと言うのは、恥ずかしいのですが…」
主様のためなら、と小声で呟いて、少し顔を赤らめながら言った。
「他の人ではダメです。私は、あなたがいいのです。あなたに仕えたいです。」
ほかの執事もそう言うと思いますよ。
とベリアンが付け足した。
「…ふふ、そっか。」
そう言われて、少し安心した。
「大丈夫ですよ。主様。
執事たちはみな。主様を必要としております。」
そう言い、ベリアンは軽く笑った。
「では、主様。ティータイムにしましょうか。」

4/27/2024, 10:34:01 AM