【Red, Green, Blue】
「レッド!」
「グリーン!」
「ブルー!」
「No! Red,Green,Blue」
いつまでやるのだろう。
もう一時間は経っている。
俺は心の中でため息をついた。
せっかく戦隊ヒーローの一員になれたのに。
かっこよく活躍して名を残したいのに。
どうして登場を何十回もやらなければならない?
レッドもレッドだ。
こんな怪獣の話なんて聞かなければいいのに。
だいたいこの怪獣もおかしいのだ。
辞書がモチーフだからってここまでしなくても。
いいかげん。
いいかげんにしてくれ。
「もうムリだ」
俺の口から出たかと思った。
グリーンは言うとその場から立ち去った。
レッドが何か言うが戻ってくることはない。
「くっくっくっ、作戦どおっぐ」
怪獣の不愉快な声に俺の拳が炸裂していた。
もうめんどい。
クビになってもいい。
ただしコイツだけは。
コイツだけは許せねぇんだ。
数分後、怪獣は巨大化することなく消えた。
俺は表彰され、ブルーからレッドに昇格した。
9/10/2025, 9:13:09 PM