雨の日。傘を忘れた君に思い切って「一緒に帰る?」と誘ったんだ。
君は雨の中に突如として現れた太陽のように眩しい笑顔で俺に感謝を述べて俺の傘へ入ってきた。
いわゆる相合傘というやつだ。
君に伝わってしまいそうなうるさい鼓動も、赤くなっていく顔も抑えられるものではなかった。
でも、全部雨のせいにできたから、安心したと同時に少しだけ残念だった。
全部、雨のせいにしてしまう自分が嫌だった。
だから、本当に小さな声で「好き」って言ってみたんだ。
君は何も聞こえなかったみたいで、聞き返してきたけど俺はまた雨のせいにした。
自分を隠せる雨が好きで、嫌いだ。
雨の日しか君と話せない自分が、大嫌いだ。
9/7/2025, 11:19:40 AM