学生時代の話になる。
通信のスイッチをオンにして画面を閉じた3DSを持ち歩いていた。それにより遊ぶ事ができる【すれ違い広場】と言う機能が俺は好きだった。その影響だろうか?自分に似せたMiiを拘り抜いて作ったのは、今となっては懐かしい思い出である
誰かとすれ違う度、3DSのランプが黄緑色に光る。それを見る度に俺はドキドキした
(新しい人とすれ違えたかな?)
けれど現実は、よくすれ違うMiiばかり。そんな中でも新しいMiiとすれ違う事が出来た瞬間は嬉しかった
俺は中学・高校と、どちらも電車通学だったから多くの人とすれ違う機会があった。学校へのゲーム機の持ち込みは当然ながら禁止されていた。
校則違反とされる持ち込み物のチェックも抜き打ちで行われたりしていた
けれど、何としてでも3DSを持ち込みたかった俺は、自分のお小遣いで3DSが入るサイズの弁当箱を1つ買い、3DSを弁当箱の中に入れて学校に持ち込んでいた。また、弁当箱の中から3DSがぶつかる音がしない様、弁当箱の中心の3DSの四隅にはスポンジを詰めて偽装した。それが母にバレた時は「何しに学校に行ってるの?」と、呆れた顔で言われたのを覚えてる。それに対して俺は大きな舌打ちをした(母さん。あの時はごめんなさい)
ちなみに持ち込み物チェックだが、朝練による空腹から休み時間に早弁をする生徒もいた為、弁当箱が2個有っても疑われる事は一度も無かった。無論「弁当箱を開けろ」なんて言われる事も無くやり過ごせた
そんな3DSだが勿論ゲームも出来る。ちなみに俺が好きだったのはポケモンだった。3値(種族値・個体値・努力値)と性格補正を知った事で、ポケモンの奥深さにのめり込んで、俺が提案した同じ方法でゲーム機を持ち込んでいた仲間と対戦や交換に明け暮れた
やがて時が経ち、その3DSは今、レコチョクでダウンロードした音楽を聴くだけの機械になっている。サービスが終了し、今はもう新しい曲をダウンロードする事が出来ない為、少し残念に感じる時もある。ただ、気分転換に今でも使ったりする
そんな3DSもバッテリーが寿命なのか、最大まで充電しても直ぐに充電が無くなってしまう。
すれ違い 作:笛闘紳士(てきとうしんし)
10/19/2024, 3:53:15 PM