きさらぎ ぶん

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また、濁流に呑まれてしまった。

わたしにとっては、清流なのかもしれない。

「奪って…」唇が不意に動いた。

今夜も、不純な人間同士が寂しさを埋める為だけに交わし合っているのだ。

純真無垢なわたしの子ども、彼の子どもはこれを見てどう思うのだろうか——。



「寂しそうだね…ママ。」

床に就いた息子が、心配そうに言った。

『そうね、ママ寂しいわね…。』

それからわたしは、息子をそっと抱きしめた。

安心したのか、微かに笑みを浮かべながら、ゆっくりとそのつぶらな瞳を閉じていった。

『この子を守らなきゃ、いけないんだ』

わたしにそっくりなこの子を。


#2

お題『安らかな瞳』

3/15/2024, 6:32:28 AM