猫好き 花純

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恋なんて興味無い。


空気も読めない、すっごく鈍感な男子に

惚れるなんて考えられない!






「おっはよー」

教室の扉をガララーと開け、

満面の笑みで教室に入った。


すると、ざわざわとしてした教室が

急に静まり返った。

クラスメイトの鋭い視線を感じた。


「ねえ、星華。翼の彼氏奪ったってほんとなの?」

親友の咲希が私のところに駆けつけてきて

小声で聞いた。


私は全く意味が分からなくて、大声で

「えっ?!」

と目を丸くした。



クラスメイトは、

人の彼氏奪ったくせに

よくそんな分かんないフリできるよねと

言うように見てくる。


「わっ、私─」

私が言いかけたところで咲希が遮って話し始めた。

「一昨日、友達から
『星華が翼の彼氏奪ったらしいよ。
翼がめっちゃ悲しんでるみたい。
2組が話してたこと聞いちゃって─、
だから、噂なんだけど─』って聞いたの。」
恋愛に全く興味がない星華が人の彼氏を
奪うなんて考えられなくて...」

私は咲希の話を聞いて、少し黙ってから、

「みんな誤解だよ!
そもそも私、翼の彼氏なんて知らないよ!」

クラスメイトのことを見て真剣に説明した。

すると、それを聞いていた翼は近づいてきた。

「酷いよ!あたし、明人と星華ちゃんが
楽しそうに話してるとこ、しっかりこの目で
見たんだよ!否定しないで!」

明人というのは、翼の彼氏だ。


私は上の空状態になっていると、

翼は私のことをドンと押して、それと同時に

「邪魔しないで」と押し倒した声で言って

教室を出ていった。



私と明人は委員会が同じで

昨日の放課後、文化委員会のポスター作りを

行っていた。




ポスターを作り、

印刷室で印刷し終わった後、

全校生徒分のポスターを教室に

運ぼうとしていたときのことだった。


私の学校の生徒の数は約600人。

つまり、600人分なので、600枚だ。

そのときは2人だったので、

時間がかかるかと思っていたら明人が

「1人300枚で運んだら1回で終わるんじゃね?」

と言った。冗談だとは分かっていたけど

そのときの私にとってはすごく面白くて

はははっと笑みをこぼした。

それにつられて明人も思い切り笑った。







きっと翼は、

教室に忘れ物を取りにでも来たのだろう。

そのときに私と明人が笑いあっている一部分だけ

見たんだろう。

だから「彼氏を奪った」と言い切れるんだ。


多分、翼は勘違いしてる。

でも今、翼にどれだけ説明したとしても、

翼を説得できるだろうか。

そもそも、話を聞いてくれるだろうか。











私は難しいことは大嫌いだから、

もう簡単に終わらせちゃおうと思った。


「翼は勘違いしてるの。
私は委員会のとき明人と話してただけ。
それだけ!」

しっかり言い切って

私はその場を去った。






次の日


学校に来て、靴棚を見ると─

汚い土と草、そして1枚の紙があった。

そこには─

「嘘まで着くなんてサイテー!」

と書かれている。これがいじめか。

私はため息1つついて、

内ズックを取り出そうとしたとき、

同じクラスメイトの

勇輝が学校の玄関に入った。

私の汚い靴棚を見た後、私と目があった。

こんな姿見せるのが少しはずかしくて

目を逸らした。


でも優しい勇輝は黙っていない。

「何それ?!...もしかして翼のこと?
俺は信じてないから大丈夫。
星華がそんなことする訳ないじゃん」

そんな一言に、私は

恋の花が咲いた気がした。







「花咲いて」

「私は難しいことは大嫌い」って言ってるところから
だんだんめんどくさくなってきてました(笑)
(簡単に打って終わりにしようとしてた)
恋したぁぁいって思ってる割には
男子にはあまり興味が無いです。
意味分かんないよね。自分でも分かんないもん。






7/23/2024, 2:47:07 PM