kiliu yoa

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 わたしは、城館から町を見下ろすような夜景しか見れない。陽の光は、眩しくて熱くて痛い。わたしには、陽の光は強すぎて外には殆ど出られない。出られたとしても日傘は勿論、服は黒一色。帽子のつばが広いものしか被れない。

 『仕方ない。』分かってる。分かってる。生まれつきの疾患。私の枷。たまに呪ってしまう。

 それでも、良いことにしてる。其れがわたしだから。

 他者と比較は、確かに良くない。己の欠点を他者と比較し、己を追い詰めるのは、確かに良くない。 

 でも、他者と己を比較し、他者から学び、己をより良くすることは決して悪いことでは無いと思う。

 わたしは確かに他者とは違い、陽の光をまともに浴びることも…昼の景色も見ることも出来ない。

 だからこそ、周囲の音や声に耳を澄ませられる。だからこそ、匂いに敏感で季節の訪れも感じられる。だからこそ、視覚だけでは捉えられない些細な変化を感動に変えられる。

 其の事を教えてくれたのは、紛れもなく他者である貴方たちなのだ。

7/1/2023, 11:05:59 PM