「余光(よこう)」
我は一灯を守るものなり。
浮世の喧騒に耳を塞ぎて、
心の声にのみ従う。
人の選びし道の脇に、小径(こみち)あり。
誰ぞ踏みしめし跡もなく、
ただ草の音、風の匂い、
忘れられし価値の咲くところなり。
他人の棄てし残り物を、
我は宝と呼ぶ。
見向きもされぬ煮物の弁当に、
一人ほほ笑むを、狂気というなかれ。
思へば我が心、常に問いを抱きて歩みしなり。
解を欲せず、ただ問いの余韻に生きる。
それが癖にして、慰めなり。
人は日々を忙しげに追いしが、
我は日々の余白を拾うなり。
言葉の端、感情の片鱗、
その一つ一つに、世界を読む。
我が歩み、直線ならず。
しかし、遠回りの果てに、
我が見るものは、真にして深し。
人の目に映らぬ光なれど、
我は知る。
この静けさの奥に、確かなる熱を。
5/22/2025, 10:43:53 AM