プレゼント
あれをあげるという行為、ただ喜びだけが詰まればどれだけ良いかと思うけれど、そうはいかない悲しいいつもだ。貰ったものもあげるものもいつも外れてしまう。僕は山吹色が嫌いで、桜が嫌いだ。写真が嫌いで、長方形のアルバムという本棚に並べた時どうしても飛び出すものが嫌いだ。けれど友人のことは好きで、貰ったものは捨てられない。曖昧に手に取って、精一杯笑う。そして自分も選んだ筆記用具を差し出して、同じことをされる。そっと微笑みあって、できるだけ早く話を切り上げて見えないところにしまう。この一連の儀式だ。
肩肘張って外したプレゼントより、その後目の前に置かれる安売りのスナック菓子達の方が何倍も好きで喜びが詰まった時間を産むので、プレゼントをあげるという無駄な行為はいらないと思うのもいつもだ。
12/23/2022, 10:59:28 AM