死にたい少年と、その相棒

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  /星空の下で

 彼が踊っている。
 星空の下で。華麗に、軽やかに。

 生きている中で、それを見ている時が、一番好きだった。
 なんたって彼は、僕の為に踊っているのだから。僕の為に、僕だけの舞いだった。

 だから、それを見ている時が一番好きだ。


 宝石を散りばめた星空の下で、夕焼けの色をそのまま移した髪を散らせ、青空を移した瞳を真っ直ぐ空へ向け、夜よりも黒い服を靡かせて。

 あぁ。なんて綺麗なんだろう。

 あれを見ている時だけが、生きている事を純粋に楽しめる。

4/5/2023, 10:49:23 AM