月下の胡蝶

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お題《静寂に包まれた部屋》



沈黙の雨が降る。


用意された流星の珈琲は、秋から冬へと移り変わろうとしている。小皿に星空を映す砂糖菓子、花の降る和菓子がこの空間を彩っており華やかさを演出していた。


正面に座る青年の瞳は冬の水面の如く静謐だ。
古びた色褪せた本を読む彼は、眉間にずっと皺を寄せたまま。


桜雨が降りしきるアンティークの美しさが残る小道で消えた――“マレビト”を追っている。



マレビトの秘密を。

9/30/2024, 5:42:00 AM