仕事を終え、オフィスから出るとさすがに暗いのだけれど、ぬるい空気に浮かれた気持ちになる。
このまま帰るのはもったいない。友人に「飲み行こう」と連絡してみる。急な誘いにもかかわらずオッケーしてくれる人がいるラッキーな人生。
待ち合わせの時間まで繁華街の大型書店で時間をつぶす。目を合わせないようにしていた本と目が合ってしまいしばらく逡巡する。
呑兵衛の友人とは絶対二軒目に行く。なんだったら味変と称して三件目も行く。そしたら一万円くらいよくわからないうちになくなるのだ。ここで二千円ちょっとの本代をケチる意味があるだろうか、いやない、反語。
本を購入し約束の店まで歩く。アスファルトから熱はまだ放出されていて、空気が冷える気配はない。
きっとレモンサワーが美味しいだろう。
路地にある店のドアに手をかけたところで、室外機の熱風を浴びた。支度は万全。
#夏
6/29/2023, 8:56:27 AM