うどん巫女

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友達の思い出(2023.7.6)

私は、友達というものがわからない。
友達というのは、仲がいい人のことらしい。家族ではなく、恋人でもなく、ただの知り合いでもない。どんな関係性の人を「友達」と呼ぶかということさえ、人それぞれだ。
友達の思い出、と言われて思い出すのは、小学生のときのことだ。そのとき私には、いわゆる幼馴染と言える関係の「友達」がいた。その子はとても女の子らしくて、子供らしいわがままさもある子だった。私はその子と仲良くするために、道化のような振る舞いをしていた。思ってもいない突飛なことを言ったり、わざと全力で走り回ったり。確かにそれは、あの子を笑わせていたし、私もきっとそれが嬉しかったのだと思う。
でも、ふとあるとき、思ってしまった。あの子が好きなのは、道化のわたし。いや、同じように面白おかしい存在なら、わたしじゃなくたっていいのかもしれない、と。
そう思うようになってから、その子とは話さなくなった。
これが私の、友達の思い出。

7/6/2023, 10:40:25 AM