るった

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【 夢と現実 】

夜、寝るのが楽しみだ。
入院生活で、これといった楽しみもない僕には、
夢の世界だけが何よりも大事だった。

宇宙飛行士になって、宇宙遊泳したり。
体育教師のときは、子どもたちと本気でスポーツしたり。
デキるサラリーマンなんてのも面白かったな。

朝目覚めて、夢は夢に過ぎないことを痛感するのも、
もはやルーティンだ。

次第に夢を見なくなる日が多くなって、意識も朦朧状態。
自然と、自分の終わりが近いことを察するようになる。
もう、夢見た職業に就くのはもちろん、夢見ることさえ、
僕には許されなくなってしまうんだな…。

(来世とかあるなら、丈夫な体がほしいもんだ…)

意識を手放した僕は、目覚めるんだろうか?
恐怖を感じるよりも早く、僕は必然の眠りについた。

願わくは、これこそが夢であってくれと祈りながら。

12/5/2023, 3:47:09 AM