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「お腹に太陽ついてるよ」
と、彼は言った。
私のお腹には、太陽がついている。
さながら、岡本太郎の太陽の塔の如く。
この証は、師匠から受け継いだものだ。
輝く太陽は、さんさんさながら、ひまわりのように、太陽の方を向いている。
フライトジャケットの男が、こちらにあるいてくる。
流暢な英語でこう言った。
「ヘイ、レディ。ユーアーアスーパーウーマン?」
この声を、私の隣で聞いていた男は、私の後ろに隠れて言った。
「ヘイ、ニック。シーイズベリーストロングウーマン」
私は、なんだよ。と思った。
思ったが、口には出さなかった。
じっと我慢していた。
そこで、サイレンが鳴った。
「ホワッツ!?」
私はその音を聞き逃さなかった。
走っていって埠頭の前に立った。
「変身!」

8/6/2023, 10:10:30 AM